ベトナム人と外国語

ベトナムと外国語

「ベトナム人は英語を話せるの?」「日本語は通じるの?」このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか?

今回はベトナム人の語学力について、弊社スタッフのリンさんに聞いたお話と併せてご紹介したいと思います。

外国語教育

外国語に対する意識

ベトナム人は幼い頃から外国語を学ぶことに関心を持っていますが、その理由のひとつとして、さまざまな国と多くの戦争を経験し発展したベトナムの歴史にあります。

ベトナム人は新しい文化や言語を非常にオープンに受け入れることができ、また、ベトナムの親たちは、子供が別の言語をマスターできれば、より良い将来が待っていると信じています。

教育プログラムについて

外国語教育は早期教育プログラムに含まれており、現在、小学生から英語が導入され、カリキュラムには英語が必須として組み込まれています。

中高生は、英語に加えて第二言語を学ぶこともできます。 第二言語はフランス語、日本語などから選択することができます。

リンさんのお母さんの高校時代(1965年頃)は、フランス語が必須科目だったそうです。

ベトナムと日本

ベトナムと日本

両国間の緊密な関係

ベトナムと日本の関係は1973年9月21日に越日外交関係が樹立されて以降、両国の平和や発展のための戦略パートナーシップを作り、現在まで深い発展を進めています。日本との友好関係はベトナム政府の外交方針としても最優先されるほどの良好な関係を築いています。

ベトナムにとって日本は主要な経済パートナーであり、最大のODA供与国となっています。 両国は交通インフラ、質の高い人材の育成など、多くの重要分野で協力してきました。

また、現在ベトナムには約2,000社以上の日系企業が進出しており、このうちの66%以上の企業がベトナムでの事業活動を拡大する傾向にあります。

2023年末に、両国はベトナムと日本の関係を「アジアと世界の平和と繁栄のための包括的戦略的パートナーシップ」に格上げしました。

日本語教育

ベトナムと日本の友好関係の影響もあり、ベトナムにおける日本語教育は、政治・外交、経済・貿易、文化・社会の分野で発展しています。

実際に、ベトナムで英語に次いで学習している人数が多い言語は日本語であり、2018年にその人数は約17万5,000人に達し世界第6位となりました。 2015年の前回調査結果と比較すると、ベトナムの日本語学習者数の増加率は世界第1位であり、日本に対して関心を持つベトナム人が増えているということがうかがえます。

教育形態

1998年当時、ベトナムには1万人以上の日本語学習者がいましたが、日本語学校はわずか31施設しかありませんでした。
しかし、この20年間で日本語学校の数は26倍も増加しています。

※2018年の調査では、日本語研修施設数が世界7位で818施設、教師数においては世界3位で7,030人という結果が出ています。

独学、日本語学校、大学教育などの一般的な学習形態に加え、留学生として日本に来るベトナム人の数も年々増加しています。

日本学生支援機構(JASSO)が発表した日本への留学生に関する調査データによると、2018年5月1日時点で日本にいるベトナム人留学生の総数は72,354人となっています。    

ベトナム政府の日本語教育への取り組み

日本語の発展が今ほど急速ではなかった2003年から、両国政府の指導のもと、ベトナムの中学校・高等学校における日本語教育プロジェクトが立ち上げられ、10年間にわたって実施されました。

現在、ベトナムの一部の学校では日本語が正式科目に追加されており、2021年1月時点で正式に日本語を教えている学校は、高校:37校、中学校:82校、小学校:2校でした。

※一部、課外活動・クラブ活動として日本語を教えている学校もあります。

日本語の習得

日本語教師

日本語を話せるメリット

ベトナムのハノイ言語国際大学では、アラビア語、英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、北京語、ロシア語、スペイン語、タイ語を学ぶことができ、教育学・言語学の学士号と大学院学位を取得することがきます。

2022年の調査結果によると、ハノイ言語国際大学の学生の 98.3% が卒業後6か月以内に就職しており、80% 近くが外国企業、組織、企業で専門知識に基づいて働いています。

また、ベトナムで日本語堪能で高度な専門知識と技術を持っている場合、収入は500~1,500USDと高く、ベトナム人の平均収入の2~5倍にもなります。

ベトナム人にとって外国語を習得することは、安定した企業への就職に繋がっていることがよく分かります。

日本語を生かせる職種

  • 翻訳者・通訳者・編集者
  • 秘書官・外交補佐官
  • 日本語教師・研究者
  • 日本語活用分野の人材
  • 日本で就職する

日本における外国人労働者数を国籍別にみると、ベトナムが最も多く51万8,364人(前年比12.1%増)で、全体の4分の1を占めています。ベトナムは2020年に中国を上回って以来、首位が続いており技能実習生が約21万人と圧倒的に多いのが特徴です。

まとめ

リンさん

ベトナム人は、外国語を習得し会話できることが、様々な面で自身のアドバンテージになることを実感しています。

しかし、現在の教育課程では、真のコミュニケーションを学ぶというよりも教材から学習することに重点を置いています。
そのため、英語の読み書きはできても会話をすることが苦手な人が多いです。

多くのベトナム人は、学校での英語の成績は非常に優れていますが、外国人と流暢かつ自信を持ってコミュニケーションをとることができません。

リンさんの個人的な意見だそうですが、ベトナムでは日本よりも英語教育がはるかに進んではいるものの、教材学習がメインであり、会話でのコミュニケーションが苦手であることは日本とあまり変わらないのだと感じました。

しかし、幼いころからの教育が軸にあるので、日本でいう中学生レベルくらいの英語であれば、日本語よりもスムーズに会話が出来るかもしれません!


なお、特定技能評価試験合格をもって入国する特定技能外国人は日本語検定試験でN4合格が必須となるため、ある程度の日本語会話は可能です。ただ、やはり実際にコミュニケーションをとって習得した言語と教材学習によって習得した言語では会話力に違いがあるというのが現実です。

弊社では、基本的に日本国内で技能実習を3年修了した外国人材(※技能実習がある職種の場合)をご紹介しておりますので、言葉の壁を心配する必要はほとんどありません。中には仕事をしながら日本語検定試験N3~N2合格を目指して、自ら勉強している外国人の方もたくさんいらっしゃいます。

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