【特定技能外国人】運転免許の切り替え・取得方法と注意点

自動車運転免許の 取得手続き方法と注意点

日本で働く特定技能外国人にとって、運転免許の取得は業務遂行の上で重要な役割を果たします。特に特定技能の職種によっては会社の車を利用した業務が求められる場合があり、免許を持つことで業務の幅が広がります。

さらに、新たに特定技能の対象分野に「自動車運送業」が加えられたことで、運転免許の重要性は一層高まっています。運送業務に従事する外国人にとって、適切な運転免許の取得は必須となり、安全運転の知識や技術を身につけることが求められます。

本記事では、日本での運転免許の切り替えや取得方法について、手続きや必要書類を分かりやすくご紹介します。

外国免許の切り替え

車運転

外国人が日本で運転するには、外国免許を日本の免許に切り替える必要があります。

外国免許のままで運転をした場合、罰則が科されるだけでなく、事故を起こした際に保険の適用が制限されることがあります。そのため、運転する前に必ず必要な手続きを済ませることが重要です。

参考:警視庁HP|外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切替えるには

①条件

項目条件
年齢18歳以上であること
免許証現在有効な外国免許証を持っていること
滞在期間外国免許の取得後、その国や地域に通算して3か月以上滞在していたこと(出入国の証印のある旅券等滞在期間を証明する資料が必要となります。)
申請者代理による申請は認められていません。必ず、ご本人が申請を行って下さい。

②必要書類の準備

  • 外国免許証(有効期限内)
  • 免許証の翻訳文(大使館またはJAF等で発行可能)
  • パスポート(免許取得国で3か月以上の滞在が確認できること)
  • 在留カード
  • 証明写真(6か月以内に撮影したもの)
  • 住民票の写し(コピー不可/国籍、在留期限、在留資格の記載が必要)

③試験

試験内容
試験
  • 適性検査: 視力や聴力などを確認。
  • 知識・技能確認: 一部の国籍では交通ルールに関する簡易テストがあります。
  • 実技試験: 必要に応じて運転技能の試験が課されることがあります。

知識確認・技能確認を免除する国(29か国等)

アイスランド、アイルランド、アメリカ合衆国(オハイオ州、オレゴン州、コロラド州、バージニア州、ハワイ州、メリーランド州及びワシントン州に限る)、イギリス、イタリア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、スイス、スウェ-デン、スペイン、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェ-、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、モナコ、ルクセンブルク、台湾

技能確認を免除する国(知識確認のみ実施)

アメリカ合衆国(インディアナ州)

知識確認対応言語(20言語)

英語、中国語、タイ語、スペイン語、ポルトガル語、ペルシャ語、ロシア語、ウルドゥー語、タガログ語、ベトナム語、ウクライナ語、インドネシア語、ネパール語、クメール語、モンゴル語、ミャンマー語、韓国語、アラビア語、シンハラ語、ヒンディー語、日本語、ひらがな

東京都|上記20言語に加えて下記4言語に対応

フランス語、トルコ語、ベンガル語、マレーシア語

申請手数料
  • 普通車(AT・MT)申請手数料:2,550円
  • 車レンタル料(技能確認が必要な場合のみ):1,450円

④発行

試験に合格すると、日本の運転免許証が発行されます。
免許交付手数料を支払い、免許証を受け取ります。

免許交付手数料
  • 交付手数料:2,050円
  • 併記手数料:200円

外国免許のままで運転した場合

交通違反

具体的には、以下のケース等で違反となる可能性があります。

  • 無免許運転に該当

日本で有効な免許証がないまま運転する行為は、無免許運転に該当し、重大な違反として処罰を受けることがあります。

無免許運転の罰則:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

  • 翻訳文の未提示

外国免許証を所持している場合でも、日本で運転するにはJAFなどが発行する翻訳文を携行する必要があります。これがない場合、無免許運転とみなされる可能性があります。

  • 適用期間の超過

外国免許証で運転が認められるのは入国後1年間までです。それ以降は日本の運転免許への切り替えが必要です。

  • 在留資格の制限

一部の在留資格では、外国免許証の使用が認められない場合があります。この点は入国管理局や警察で確認する必要があります。

日本国内で新規取得する場合

自動車(普通車)運転免許取得の条件

共通の取得条件(日本人・外国人共通)

  • 年齢:18歳以上
  • 視力:両眼で0.7以上、片眼で0.3以上(または矯正視力で満たす)
  • 色覚:信号の赤・青・黄色が識別できること
  • 聴力:日常会話が可能なレベル(補聴器の使用可)
  • 運動能力:運転に支障がないこと(義肢などの補助具の使用は可)
  • 学科・技能試験:教習所卒業または一発試験で合格すること

外国人の追加条件

  • 日本国内に住所があること
    ・住民登録(住民票)が必要で、一時的な滞在者(観光客など)は免許を取得できない
  • 有効な在留資格を持っていること
    ・短期滞在(ビザなし滞在)の人は対象外
    ・在留カードや特別永住者証明書を提示する必要がある

運転免許取得方法

①自動車教習所への入校

外国免許を持たない場合、日本で新たに運転免許を取得する必要があります。外国人も取得できますが、講習や試験は基本的に日本語で行われるため、言葉の壁が大きなハードルとなります。特に学科試験では交通ルールや標識の理解が求められ、日本語に自信がない方には難しく感じることもあるでしょう。

また、教習所の費用が高額で、経済的な負担を感じる方も少なくありません。一発試験を受けることも可能ですが、合格率が低く、何度も試験を受けるケースが多いため、決して簡単ではありません。

なお、一部の自治体では多言語対応の教習所や通訳付きの試験を提供しており、言語面でのサポートを受けながら免許取得を目指すことも可能です。

費用と期間
  • 費用: 約20万–30万円
  • 期間: 通常2–3ヶ月(通学頻度による)

②学科試験と技能試験

外国語試験

基礎的な交通ルールを学び、実技練習を経て試験に挑みます。

なお、運転免許センター(東京・埼玉)では、外国語の運転免許学科試験は20言語で実施しています。

※詳細な情報や手続きについては、各都道府県の運転免許試験場や警察署に確認してください。

第一種免許、第二種免許、仮免許【20言語】

アラビア語、インドネシア語、ウクライナ語、ウルドゥー語、英語、韓国語、クメール語、シンハラ語、スペイン語、タイ語、タガログ語、中国語、ネパール語、ヒンディー語、ベトナム語、ペルシャ語、ポルトガル語、ミャンマー語、モンゴル語、ロシア語

原付免許【4言語】※小型特殊免許は除く

英語、中国語、ベトナム語、ポルトガル語

※東京都では、英語・中国語のみ対応。

参考:埼玉県警HP|外国語(20言語)による運転免許学科試験の実施について
警視庁HP|外国語により受験できる学科試験について

③免許証の発行

すべての試験に合格した後、運転免許証を受け取る際に免許交付手数料を支払います。

また、免許証交付手続きでは、卒業証明書や住民票などの提出が求められます。
必要な持ち物は都道府県ごとに異なるため、事前に受験予定の試験場の公式ウェブサイトや案内資料を確認しましょう。

免許交付手数料
  • 全国一律:2,050円

運転免許取得後の注意点

定期的な更新

運転免許の更新期限を見逃さないように注意してください。更新時期は免許証に記載されており、通常、期限の数ヶ月前から更新手続きが可能です。更新を忘れると免許が失効し、再取得が必要になる可能性があります。

交通事故への備え

交通事故

自動車保険への加入が義務付けられています。自賠責保険(強制保険)は法律で加入が義務付けられており、万が一の事故で被害者を保護するために必要です。また、任意保険にも加入することで、物損や自分の補償もカバーできます。

交通ルールの遵守

日本では厳格な交通ルールが適用されており、違反すると罰金や免許停止になる可能性があります。交通ルールを守ることは、自分自身だけでなく周りの安全を守るためにも欠かせません。ルールを守る運転が、安心で快適な運転生活の基本です。

車両の定期点検とメンテナンス

車両の安全性を確保するためには、定期的な点検とメンテナンスが必要です。エンジンやタイヤ、ブレーキの状態をチェックすることはもちろんですが、少しでも異変を感じた場合は、速やかに専門家に車を見てもらうようにしましょう。早期の対応が大きなトラブルを防ぐ鍵となります。

緊急時の対応

万が一事故やトラブル時には警察や保険会社に速やかに連絡し、適切な対応を行うことが重要です。免許証は運転時には必ず携帯し、保険証書やその他の必要書類をすぐに取り出せるようにしておきましょう。

まとめ

運転する犬

外国人の免許取得制度には、各国の免許制度との違いや、日本の交通ルールへの適応の難しさといった課題があります。特に、日本の交通環境に不慣れなまま運転を始めると、事故のリスクが高まるため、適切な制度運用が欠かせません。

そのため、免許を取得する際は、単に資格を得ることにとどまらず、日本の交通ルールを正しく理解し、安全運転の意識を身につけることが重要です。さらに、取得後も継続的にルールを学び、日本の道路事情に慣れていく姿勢が求められます。

今後、外国人ドライバーが安全に運転できる環境を整えるためには、制度の見直しやサポート体制の充実が不可欠です。
安全な交通社会を実現するには、一人ひとりが責任を持ち、慎重な運転を心がけることが大切でしょう。

本記事の情報は 2025年2月現在 のものです。制度や手続きの詳細は変更される可能性があり、各都道府県によって対応が異なる場合や、必要書類が変わることもあります。そのため、最新の情報や具体的な手続きについては、必ずお住まいの地域の運転免許センターや警察署の公式サイトをご確認ください。


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